booktkun’s diary

みむろとラジオをやっています。最近魚突き始めました。

寂しい感覚。

ぼくは、みむろと、ある懐かしいお店に向かった。
中学時代によく通ったお食事処だ。

10年以上ぶりなので、少し緊張感もある。悪い意味での緊張感だ。


店内に入ると、人は少なく寂れた印象を強く受ける。
新調したであろう雑貨等が店内のインテリアと見事にミスマッチしている。紛い物でしかない。

店主がいたので早速オーダー。
メニューを見ると、パンケーキなどの流行を意識したもので埋め尽くされていた。
ぼくは、普通の定食を頼んだ。

店主に10年ぶりです。と話しかけると、凄く喜んでいたが、急に焦った顔に変わった。
30席はある店内に、ぼくたちしかいないこと恥じる様子で
「いつもはこうじゃない」
と勝手に言い訳を繰り返した。


定食がきた。
ぼくはハッとした。
美味しくなかったのだ。懐かしさはどことなく感じられるが、美味しくはない。

店主が味の感想を求めた。
この店主は一見自信家に見えるが、小心者のようだ。
懐かしいと一言だけ発した。

ぼくは一刻も早く逃げ出したかった。
懐かしさを求めただけなのに、哀感を感じなくてはいけなかったからだ。
昔は美味しく感じられた料理も、今では不味い。
これは、僕たちの舌が変わったのか、それとも、料理が不味くなったのか。

どちらだろう。

(懐かしい友人に出会ったので、料理店で表現してみました)